02/15の日記
23:26
怒っている理由/零僕
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「いーたん」
僕の目の前に正座している零崎は、恐る恐るといった感じで僕に話しかける。
僕はそれを軽く無視する。
「………」
「…すいませんでした!」
土下座する勢いで僕に謝る零崎。
だけどそれも無視することにした。
「……」
「ドアなら弁償するから許していーたん」
零崎は両手を合わせてお願いしてきた。
その腕には包帯が巻かれている。
「僕が」
「へ?」
「ドアが壊れたなんて今更な事を怒ると思うかい?」
そんな事もわからないなんて、よっぽど馬鹿なんだね人間失格。
僕はそう言い、また黙りこむ。
零崎はない知恵を振り絞って、僕が怒っている理由を考えている。
理由なんて、一つしかないのに。
「……けが」
ほとんど無意識に呟いた。
「は?」
「けが、大丈夫なのか?」
零崎は、ああ、と頷いて笑った。
「大丈夫」
「ふーん」
安堵の息が漏れた。
零崎はそれを見てニヤニヤしながら言った。
「俺って愛されてるな」
ふざけるな。
とは言わずに。
「戯言だよ」
と、小さく返した。
END
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まんざらでもないいーたん
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