03/11の日記

23:46
ピーターパンシンドローム/高銀
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「なあ高杉ィ」

「なんだよ」

「大人にはなりたくねぇなぁ」

銀時は吐き出すように言った。

「何言ってんだ、お前」

もう大人じゃねぇか。
そう言ってやると銀時は口を尖らせた。

「銀さんはいつまででも少年なんですぅ」

気持ち的に。
そう付け足して銀時は俯いた。

「銀」

「大人じゃなかったら戦争なんて思い浮かばないから」

戦争なんて、くだらない。
くだらないし、怪我をしなくても痛い。
呟くように、しぼりだすように呟く銀時に俺は声をかけれない。

俺は、どちらかと言うと好んで刀を握っているが、コイツはそうではない。
俺を、桂を、坂本を…
傷つけないために戦に来たようなものなのだ。

「銀…お前」

「わかってる戦場で言うような内容じゃないくらい」

銀時は顔をあげ笑った。
俺のような狂気に満ちた笑みのような、あきらめきった笑みのような、そんな儚い笑みを浮かべ言った。

「高杉ィ、俺やっぱり大人になりてぇ」

大人になったら、人の死なんて簡単に切り捨てられるんだろうな。
だったら、大人になりてぇ。

そう言う銀時を、ふんと鼻で笑う。

「テメェは一生大人になんかなれねぇよ」

むしろ、なってくれるな。
吐き捨てて俺は、床についた。



だから
最後に銀時がどんな顔をしていたかわからない。

だけど

きっと


ただ純粋に笑っていただろう。


END
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戦争に心を痛める銀ちゃん。
でも仲間を傷つけたくないから戦うんだ←

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