03/14の日記

23:30
ハッピーホワイトデー/零僕
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ずいっと目の前に差し出された箱を見つめ零崎に話しかける。

「零崎…これは何デスカ?」

零崎は、かははと笑って言った。

「ホワイトデーのプレゼント」

「……ホワイトデーのプレゼント」

零崎の言葉を繰り返し、僕はしばし考える。
はてさて、ホワイトデーとは何だったか。

「おいおい、いーたん」
ホワイトデーは忘れちゃいけねぇよ。
全国のお姉さんがバレンタインデーのお返しを請求してまわる日だぜ?

多少、間違いがあるとは思うが零崎に説明されやっとわかった。

「ああ、ありがとう」

理由がわかればプレゼントをさっさと受け取る。
何もない時にプレゼントを貰うとろくな事にならない気がするからだ。

「いーたん」

「何だい?」

「中身、気にならないか?」

ニヤニヤ笑いながら言う零崎に僕は首を傾げる。

「そんなに変な物を買ったのか?」

だったら捨てるけど…。
僕がそう言うと、零崎は慌てた風に言った。

「ちょ…ペアリングだよ、ペ ア リ ン グ !」

全然変じゃないだろ?
零崎はそう言いながら、自分の首にかけてあるチェーンの先を僕に見せた。
確かに、指輪がある…。

「っ……!」

普通に考えると恥ずかしい。
というより照れる。

「嬉しい?」

ニヤニヤしながら問うてくる零崎がムカつく。

「嬉しいかもね」

だから曖昧に返事をした。

「戯言か?」

僕の顔をのぞきこみながらいう零崎。
言い返すために、僕は零崎の台詞を借りる。


「傑作だよ」


本当は、すごく嬉しい。
なんて戯言かな。


END
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ホワイトデーな零僕。

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