10/31の日記

23:42
おかしかいたずらか?!/零僕
---------------

「とりっくおあーとりーと!」

零崎は笑顔で両手を突き出してくる。
今年もか。
そう思い溜め息をついた。

「悪戯のがいいか?」

ニヤニヤ笑いながら零崎は言う。
今は10月31日の23時50分。
生憎お菓子をもっていないが、大人しく悪戯されてやる僕じゃない。
12時をすぎてしまえばこっちのものだ。

「お菓子探すからちょっとまちなよ」

僕が零崎に言うと
零崎は「今年も悪戯は無理か」と呟いた。
やっぱり悪戯狙いか。
お菓子を探すふりをすること5分、零崎は「いーたんまだー?」とダルそうに騒いでいる。
あと5分もちこたえれば僕の勝ちだ。

「いーたん?」

まずい。
あと1分程で、12時なのに。
この狭くて何もない部屋にはもう何かを探す場所がない。
零崎がジリジリとにじりよってくる。

「お菓子、ないんだな?」

ニヤリ、口の端をつりあげ笑う零崎にもうダメだと思ったが、

カチリ、秒針が進む音がした。

途端に叫ぶ零崎。

「ぐあー、最悪!」

いーたんのあほ!ばか!

そんな零崎を見ながら僕は安堵の息をつく。
悪いけどそう簡単に悪戯されてやる僕じゃないよ。
まあ、戯言だけどね。


END
++++++++
勝者戯言遣い!笑

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ