文
□仲良し.他
2ページ/10ページ
「綱吉くん、僕とイイことしませんか?」
「黙りなよ変態パイナップル」
「うるさいですよバイオレンス風紀委員」
「ワオ、かみ殺されたいわけ?」
綱吉を挟み言い合う、骸と雲雀。
綱吉は涙目になりながら縮こまっている。
(なんで俺をはさんで喧嘩するのー?!)
「くふふ、僕に勝てるとでも?」
「僕が変態に負けると思うわけ?」
武器を取り出す二人を見て綱吉は慌てて止めに入る。
というか必死に叫んだ。
「二人ともいい加減にしないと嫌いになりますよ?!」
ていうか嫌いです!
あっち行ってください!目障りだから!
必死に叫びすぎて、100%本心を叫んだ綱吉は、急に固まった二人をみて焦る。
「骸さん、雲雀さん」
すすす、すいません!
綱吉は謝るが骸と雲雀には聞こえていない。
嫌いです!が相当きいたようだ。
ガラスのハートに綱吉の言葉がクリティカルヒットした2人は、動揺しながらも口論を続ける。
「くふふ、聞きましたか?」
「聞いたよ、綱吉は君の事が嫌いなんだってね」
「はっ、あなたの事でしょう?」
また言い合う2人に綱吉はとどめをさした。
「仲良くしないんなら、還ってください!」
ちなみに還っては誤字ではなく綱吉の本心である。
綱吉は、マジでもう土に還れお前ら。
と心なしかあきらめモードにはいっている。
「……綱吉くん」
「……綱吉」
真っ青になって綱吉につめよる2人に綱吉も真っ青である。
「すすす、すいませんっ」
調子のりすぎましたっ!と謝る綱吉に二人はひきつった笑顔で言った。
「僕たち仲良しですよ綱吉くん」
「そうそう、仲良しにしかみえないだろ」
二人で笑いながら綱吉に見えるように握手をしているが、全力で握っているためかミシミシ音をたてている。
そのうえ二人は鳥肌をたてて握手をしていたので綱吉は可哀想になって二人に言った。
「すいません、俺が言い過ぎました」
無理しなくていいです。
二人が仲良くなるのは無理そうですし。
綱吉がそう言った途端二人はパッと手を離した。
「君と握手を交わすなんて屈辱だよ」
「くふふ、僕は死にそうでしたよ」
また言い争いをはじめる二人を見て綱吉は思った。
(何だかんだ言って仲良しなんだなぁ、俺は干渉しないでおこう)
完璧にあきらめた綱吉に放置されたことに気付かずに二人はあたりが暗くなるまで言い争いを続けるのだった。
END
.