黄金の賢者の呪

□◎拍手ログ◎
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 【年始仕事】



「ったく…元旦から仕事とは随分仕事熱心なことですねマスタング大佐、しかも自主的とは」
「…」

厭味たっぷりにエドが言うと、ロイは手を動かしつつ苦笑を浮かべた。
エルリック兄弟とロイの部下達は正月を祝って食べ、飲み、楽しく遊んでいた。
が、酔ったハボックが、ロイが仕事を全部処理していないことを口を滑らせ、平常なホークアイの耳に入ってしまったのだ。
勿論ロイは仕事しに行くことになったのだが、見張りが必要と話になり…公正にトランプでそれを決めた。
で、勝負の結果それ担ったのは…エドワードだった。

「冷たいことを言うね、恋人と2人きりになれたとは考え…」
「いーから早く手を動かせ。ここ寒いし」

調子に乗せればまたサボる、と熟知しているエドは言葉を途中で遮った。
今日は暖房を入れられないらしい。
そして着ている物が正月らしく袴で、上に服を羽織っていても裾から入る風に身を微かに震えていた。

「確かに寒いな。本当に少しなんだ、すぐ片付けるよ」

そういうとロイの書類への眼差しが真剣になり、黙々とそれをこなしていった。
目を通し、サインとハンコを紙に記印する簡単な作業だったが、数が多いのだ。
が、ロイのペースは徐々に速まっていく気がした。

(………ぅー、やっぱ寒い…)

会話が終わり、気を紛らわすことが無くなって寒さが意識を覆う。
ソファー等も冷たくて、エドは気付けば暖かいモノを探していた。

「…!?」
「あ、そのまま続けてて。…あったけ…」

室内で唯一暖かいロイの体にそっと、体重等をかけないように抱き着いて、エドは衣越しの体温に浸る。
響く鼓動にも安らぎすら感じれる。
加えて寒さから眠くなりつつ、その温もりに擦り寄った。

「…はぁ………なら、暖めてあげよう」

ロイが手を止めて振り返り、そして衣の中に手を忍ばせてきた。
突然のことにエドは躰を固まらせて戸惑い、ロイはその様子に首へ唇を這わせる。

「ちょっと待…、残って…ぁ、っ…//」
「あと少しだが…生殺しだ。正月くらい君を好きに食べさせてくれ」

その言葉は妙に艶っぽく、そして唇を塞がれエドは抵抗の台詞を続けられなかった。












机に背を預け、足は力無く放り投げられいて、それをロイが大きく開いていた。
その中心ではロイ自身が挿し抜きされていて、水が跳ねる音が立ち込める。
袴だけを剥ぎ取られていたが、躰はとても熱くなっていた。
冷気に感じ、一層熱を引き上げる程に。

「はぁ…っ、あぅぅ!//」
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