黄金の賢者の呪

□時空に繋かる銀星群
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道端の小石を蹴飛ばし、エドワードは暗い色を浮かべながら歩いていた。

自分が今いる世界は、生まれ育った世界ではなく、帰ろうと必死になっているが糸口が見つからない。

暗闇を走っているようで、光が見える出口が見えない不安や失念等に、精神的に痛め付けられている状態にある。

「はぁ…」

溜息は次々この空気と混ざりあい、この世界の一部分と化す。

気分転換の散歩のつもりで歩いていたが、頭から研究の事は少しも離れていかなかった。

「……ん…?」

ふと俯きがちの頭を上げると、そこは小さな本屋の前。

「こんな本屋、あったっけ?」

今歩いていた道は何度も通っているが、この店を見たのは初めてだった。

だが、エドの足はその中に誘われているかのように自然と動いた。

「……なんか、古そうな本ばっかだな…」

店主も見当たらない薄暗い本屋。

そんな中に視線を漂わせるとを、1冊の本がエドの目に止まる。

その本を手に取ってみると、どうやら童話のようだった。

「…織り姫と彦星…か…」

気のせいと思うが、その挿絵の彦星はどこと無く、エドワードの思い人に似ていた。

「……大佐……逢いたいよ…」

天の川ではなく、次元に引き裂かれた恋人を思い、本音を吐き出す。
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