崩壊

□侵喰
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…………雨が降る


それは止む気配なく降り続け


肌を湿らせ


身体を濡らす


奏でる音が耳に焼け付く頃には




もう、俺はお前のモノ。














騒音とは程遠いものの時折聞こえる雨音に心底嫌気がする

此所には元々音は存在しねぇ

音を作る主は今頃、血に濡れているのかもしれない。


雨が降る度に思い知らされる



アイツの存在を





絶対的主君



俺が俺であるために



必要不可欠な存在。



なら、俺はアイツにとって一体何なんだ?



「くだらねぇ……」


どうかしてる、こんな事考えるなんて。







* * * *



気配…いや、お前が来れば直ぐに分かる
後ろを振り返れば今まさに考えてた本人登場

脳裏に焼き付いて離れない橙頭の死神


俺の主。


「よぉ、元気か?」
「…あぁ゙?一護…何でテメェが此所に居んだ」
「別に」
「ハッ、また力が必要になったか?」
「…違う」
「なら、他に用があんのか?」

それ以外で一護が此所に来る理由は無ぇ、と思う。からかう様に嘲笑い口にしたら予想と反して一護が急に黙り込んで神妙な顔になりやがるから妙に気になった。

「……何だよ?言えって」

急かす様に再度促す、まさか斬月のオッサンに逢いに来たとか?ありえねぇだろ。
色んな事頭で巡らせて答えを待った、ふいに一護の唇が動く。

「此所に来れば、お前に逢えると思って」
「……意味分かんねーよ」
「だから…俺は、お前に逢いに来たんだ」

けど、もっとありえない事が起こった

予想外で、しかも一護がやけに真面目に言うから何かおかしかった。

しかも2回


「へェ…俺に何か用ってか?」

そういえば戦闘以外にコイツと話す事は無かったと改めて思う

本当に何が目的で……

近い存在だと思いきや遠い

それで良いじゃねぇか

これからも、ずっと

俺に何を望む?
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