崩壊
□相身互い
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……もしも
今お前が居なくなったら
俺の世界は
いとも簡単に崩れてしまう
簡単に
壊れてしまうんだ。
- 相身互い -
今日も又誰かが死に逝く音が聞こえる
……けど
アイツじゃない事は確か、何故なら俺は今こうして空を見上げる事が出来るから。
俺の知っている見慣れた空は晴天、自然と胸を撫で下ろすのが分かる
アイツが苦しかろうが俺は何もしてやれねぇ
一護を想う度に俺の中で何かが音をたてて崩れていく。
思考とは裏腹に何かが巣喰っていく
元々…理性なんてもんはねぇけど…
こんな気持ち
知りたくも無かった
知らなくても良かった。
苦しくて苦しくて頭がおかしくなりそうだ
必要ない、その確かな感情に段々と蝕まれてく。
* * * *
「一護」
「んー?」
「オィ!聞いてんのか」
「聞いてる聞いてる」
精一杯気持ち込めて呼んでやったのに一護は口の端を上げて笑うだけ。
もう一度呼んでみても視線すら合わさねぇって、どーよ?
悔しくなって声荒げてみても喉奥で笑う余裕満々な態度
…気にくわねぇ。
「…なァ、こっち向けって」
「何だよ?どうし…っ」
半ば無理矢理顔を捉えて珍しく自分から唇を寄せた、軽く吸っては離す。
間近で見つめ合う、一護は驚きを隠せない様で思ったとおり間抜けな顔してやがる。
「……オイ」
「…ん…ッ…!」
その面に耐え切れず笑っていれば急に耳元へ熱を感じて不覚にも掠れた吐息を零した。
耳朶を甘噛みしつつ告げられた言葉。
「誘ってんのか?」
熱っぽい声音、欲情に染まる瞳
ヤル気満々じゃねぇか。
耳元から唇を離すと一護は俺の手を掴み慣れた手つきでいつもの様に自分へと引き寄せる。
綺麗な橙色の髪、決して揺るがない強い瞳
同じ顔つきであっても俺とは違う
コイツの感触に何故か酷く安心した。
同時に胸中がざわつく
必要ない感情が疼いてしかたねぇ
何も考えたくなくて一護に身を任した。
* * * *
「…ククッ…早速かよ?盛りついた獣みてぇに」
人を見下した様に見つめては口の端を上げて毒づく所も堪らなく扇状的で凄い煽られる。
「お前がそーさせんだろ」
そう言ったら
馬鹿じゃねぇのと声に出して笑う。
集中しろと唇で唇を塞げば途端におとなしくなって舌を絡めてきた。
こういうところ結構可愛いとか思うわけで…、本人は無意識だろうから余計に不安になる。
「我慢できねぇ」
早く自分で満たしたい、コイツに満たされたい。
俺はそう言うが早いか白崎の服を少し乱暴に脱がしていく、白い肌が露になるのに酷く興奮しているのが自分でも分かった。
余裕ねぇ奴、と尚笑う白崎を無視して白い肌を抱き寄せる、そうしたら白崎の腕が俺の首に回された。
それを合図に互いに唇を貧りながら身体を寄せ合う。
肌の温度が触れた所から熱くなってゆく、欲を満たす様に夢中で抱いた。
「…ン…ッ…一、護…」
必死に身体を支えて
押し寄せる快感に耐えながら瞼を上げる。
薄れる視界の中に
囚われた狭い空
綺麗で酷く儚い確かじゃないモノ
「……っ…」
アァ…溶け合いたい、ずっと…お前と。
僅かな汚れさえ見つからぬ
惑い無き瞳に捕らわれた
いつの間にか、オマエで満たされて
俺にとってお前が生きる意味の全てになった。
それは永遠に変わらねぇ
此からも、ひたすら互いを求め合う。
決して欠けてはいけない
お互い必要不可欠な存在
俺の愛しい半身。
-END-