崩壊

□飴と鞭
1ページ/2ページ

光も届かない闇の中

月の光のみが照らされて

見上げれば見慣れた顔

光のせいなのかウルラキオラの表情が少しだけ緩んで見えた

無表情以外に見せない普段とは違った表情に胸が熱くなるのが感じられる自分自身に反吐が出る。


「グリムジョー」
「……ッ…」

けど…思考とは反対に、コイツの慈しむような声色に何故か熱がおさまらなかった



俺達に常識や感情なんて物は無意味だ


毎夜繰り返すこの行為にも意味など無くて


唯あるのは貪欲に本能のまま快感を求める獣じみた感情。













場所はいつも決まって俺の部屋、約束してる訳でも無ぇのにアイツは毎日の様に来やがるから…今日も突然来たと思ったらそのまま押し倒された。
スプリングの軋む音、部屋に響き渡る湿った水音に耳を塞ぎたい気持ちになる。

…でも何よりも気持ち良いと快感が勝ってしまい喘ぎそうになるのをグリムジョーはギュっと唇を結び堪えていた。
そんな様子を余所にウルキオラの指先の動きが早急になり更に感じる所を見つけ様と動き回る感触に大きく体を捩らせる。

「ん…あ、っ…ァ…」
「恥ずかしがるな」
「く…っ…」
「全部聞かせろ」

感じる所なんて知り尽くされていた、前を擦られれば呆気なく掠れた吐息混じりの喘ぎ声が洩れウルキオラの口端が僅かに釣り上がる。

耳元で相変わらずの命令口調で低く甘く囁かれ後孔に飲み込んだ指、片手で自身に触れる手先が巧みに動かされるのにグリムジョー本人無意識だろう腰が小刻み揺れていた。


「グリムジョー、誘っているのか?」
「…な…違、っ…」
「何が違うんだ、凄い締め付けて離してくれないぞ…口では何とでも言えるが体は素直だな」
「うる、せ…ェっ…!」

答えを待たぬまま徐々に指が増やされ肉壁を擦る様にばらばらに動かされると目頭に生理的な涙を滲ませ罵られる度に眉間に皺を刻み悔しさからか歯を噛み締めた。
しかし、指摘された通り体は悦びを示し反り立つ中心からは蜜が滴れている。

「クソ…ッ、…」

屈辱に滲むその表情を十分堪能して羞恥から体が朱に染まってゆくのを楽しみ、意地悪く攻めたてていく。

「オィっ、な…何して」

必死にシーツを掴み与えられる快感に堪えていたら暫くして双丘辺りから蕾へと生暖かい感触、その慣れる事の無い熱が何か直ぐに分かった途端に思わず体を強張らせ侵入を拒む。
それが気にくわなかったのか奥へ半ば強引に指を捩込み同時に真っ赤な舌先が拡げられた孔回りをなぞるのに堪らず声を荒げた。

「…ア…汚っ…ねぇ…ぞ…っ」
「…汚い?なら余計綺麗にするべきだろう」
「そ…、意味じゃ…バ、やっ…め…ウ、ルキオ…らぁ…」

力の入らない震える手でウルキオラの髪に手を伸ばし引き離そうと試みるも効果は無く、更に感じる生温い熱にビクビクと身体が反る。
荒く息を吐きながら息途切れに抵抗の言葉を述べ、それが余計ウルキオラの征服欲を駆り立てるのに微塵も気ずかず睨みつけては嫌だと首を振る。

「俺には嫌がっている様には見えないが?」

不意に生理的な涙が頬を伝い、それを優しい手つきで拭ってやる。
唇を一度離し意地の悪い言葉を紡ぐと舌先が再度後孔を捉えた、途端にひくひくと震える下肢を指でなぞり己の欲望を押さえウルキオラは詰る言葉を紡ぐ。
もう答える事も困難なのか髪色と同じ水浅葱の瞳が困った様に揺れた。

快感に押し寄せられながらも自らに反応を示すグリムジョーが堪らなく愛しい、と高ぶる熱に後押しされてか乱暴に唇を奪う

それを合図に結局は全て受け止めていく、飢えた身体がそれ以上を求めて。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ