崩壊

□悩内CLATHAS.中
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逆らう事は許されない



求める事も赦されない



拒否権など最初からあるはずも無く



只従うのが利口な術。





-悩内CLATHAS.中-






昨日は浴室で、その前はあろう事か廊下だった。
何処でもお構いなしに盛るコイツに心底嫌気がする、とベットに組み敷かれシーツに顔を埋めたまま何処か冷静な考えが頭を過ぎる。


「グリムジョー、もっと高く腰を上げろ」


けど、そんな考えと反対にこの傲慢で絶対的な命令には何故か逆らえないでいる。ウルキオラの方が一枚上手だからか、それとも他の理由からか…本人も理解不能だった。
躾を施された身体は有無を言わさずグリムジョーは言われるままにゆっくりと腰を突き出した。

「…ぁ…ッ…」

覆い被さる身体、その瞬時背中に感じる熱い感触に思わず掠れた声が零れる。堪らず後ろに顔を向け見ては覗く赤い舌、そのまま背中を舐められれば気持ち悪い筈のその行為にすら体はひくひくと震えた。

しかしコレは予想外で思わずグリムジョーは息を呑む。優しい愛撫、内心何を考えているのか分かったもんじゃない。

そんな事を脳裏に巡らせつつ声を出さぬ様に強く唇を噛んでいた、刹那グリムジョーの思考を読み取ったかの様にカリッと甘噛み程度に背に歯を立てられる。
柔らかい肌の感触を楽しむ様に這う唇、甘い痛みは段々と脳に浸透していく。
だけど、これだけで済む訳無く力任せに突如体を捻仰向けにさせられかと思いきや首筋に感じた強い痛み。

「ッ、なっ…にす…」

噛まれた首筋がすごく痛い、眉間に深く皺を刻み不快露にしてやれば何が面白くないのか首筋を噛む力が強まっていく。

「は…ァ、いっ…痛ェ…」
「五月蝿い、黙ってろ」

低い声音で征され手加減なしで噛まれれば目頭に涙が滲み、痛みに後押しされてか鈍った思考のなか言われるままに口を噤む。

「…やけに素直だな」
「……………」

それに不可解覚えウルキオラの冷ややかな瞳がグリムジョーを射る、背筋を凍らせる様な視線に自然と身体は硬直するも負けじと睨み返せばやっと首筋を噛むのを止めた。

「何がしたいんだよ?テメェは」
「お前が聞くのか?それを、俺に」

今更だが文句を言ってみる、まともに逆らえない悔しさに自分の情けなさに声が震えた。
首筋から滴る赤い液、それを拭うと業と見せつけるように舌で舐めとって視線を交わせる。

そのまま唇を塞がれて血に塗れた舌で濃厚な接吻、口いっぱいに拡がる錆びた味。

「…ン、…ァ」

グリムジョーの唇から本人は無意識だろう発せられた艶かしい吐息じみた喘ぎにウルキオラの表情が歪む

「単純だな…さっきまでの威勢の良さはどうした」
「…っ…あァ…」

そう低く囁きながら髪を乱暴に掴み上げ力任せに顔を上げるよう仕向ければ、理性を保つのが苦しいのかグリムジョーの四肢は震え今だ触っていない性器は腹につく程に反り立っている。

堪らないと焦点の合わない瞳でウルキオラを見つめるそこには確かな情欲が感じ取れた。
思考と裏腹に発する声には妙な色が含まれグリムジョーはぐちゃぐちゃにシーツを握りしめ焦れったい熱に必死に耐える。

その姿はウルキオラの嗜虐心を奮いたたせ、しかし悟られぬ様に尚も無表情を繕った。

「…ク、ソ…ッ」


全てを見透かされる様な視線を合わせるのが嫌でグリムジョーは思わず瞳を閉じた。
僅かな抵抗、それすら許されず無理に開かそうと細くしなやかな指先が瞼をなぞる。

ザワつく気持ち悪さに耐えれず、ゆっくりと瞼を上げれば変わらないウルキオラの冷えた視線に何かが込み上げてきて正直ヤベェ、とグリムジョーは荒い息を吐きつつ思っていた。
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