駝鳥

□Atelier番外編〜その掌に包まれる物〜
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ツトムの視線を追うと

公園とは名ばかりの小さな広場に

所狭しと敷かれたシート

カラフルなパラソルやテントが立ち並んだそこを

縫うように見て行く人たち

「何か面白そうだな。」


ふらりとその公園に入って行くツトムに

環も続く

そこは

ガラクタから骨董品まで様々なものがごちゃまぜに並んでいる

若者から自らも骨董品のような老婆まで

人も様々

ふとしゃがみ込むツトムに
環も覗き込む

その手には小さな深皿

よく見ると

周りに金縁がついた陶器で出来たソレは

真ん中に妖しい笑みを浮かべた猫が月に肘を付いた模様が書かれていて…


「なぁ、似てねーか?」


クスリと珍しく楽しそうに笑って振り返ったツトムに
環もニヤリと笑い返した


「すげー似てる。」


二人はもう一つ増えた袋を手に

家路を辿る


「晩飯、何食いたい?」

「じゃあ金目の煮付け。」
「わかった。」


環はその掌に包まれる物たちを少し羨ましく思いながら

方向音痴の猫背が迷子にならないように

今は服の端を掴むだけで我慢してやる事にした…


Fin…


あとがき

食べたい物が昭和の親父風なのは気になさらずに(笑)環は魚好きです。
9999Hitを踏んで下さったロイ様リクで環とツトムの買い物でした!
ロイ様のみお持ち帰りいただけます!9999Hitありがとうございました!


おまけ↓



「ダヤン、そっくりだにぇー。」

「ナァー。」

「餌皿に調度いいだろ?」
「でも自分そっくりな絵がついてる皿で食べてるってナルシストっぽくないか?」

「ニ゛ャー!!」

「そんなコトにゃいって怒ってるよ?」

「でも似顔絵見ながら食べてると同じじゃないか?」
「ニ゛ー!ニ゛ー!」

「あはは、ナルシスト加減ならお前も負けてないんじゃねーの飛鳥。」


「………。」


「っツトム〜!!」
「ニ゛ャー!」


「…落ち着けよ、ただの冗談だろーが。」

「へぇ、じゃあお前が俺を宥めてくれよ?」

「なっ、なんで俺が…?」


今度こそFin(笑)


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