月の民の唄

□約束の森でうワルツ
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「フローレンス、この子達は?」
「街の子供ですわ」
「この子達が? 良かった、探してたんだよ」
「そうだったのですか。子供達も森で遊んでいる時にサーペントに襲われてしまいまして…」
「フローレンスお姉ちゃんが助けてくれたんだ」

子供達は助けてもらったこともありすっかりフローレンスになついている。

「あのままでしたら、石に変わってしまうところでしたので」
「そういえば……」

紗夜はサーペントにつけられた傷の事を思い出した。
見れば少しだけ石に変わってしまった範囲が広くなっている。

「サーペントの石の魔法。子供達のものは解くことができたのですが、紗夜のは薬を使いきってしまっていて……」

本当にすまなそうに紗夜を気遣うフローレンス。

「大丈夫だよ! さっきと違って腕は重くないし。フローレンスがそうしてくれたんでしょ?」
「はい、せめてと思いまして…」
「ありがと」

紗夜の礼を受け、フローレンスの顔が笑顔に戻る。
しかし、またすぐに暗い顔に戻ってしまう。

「あの、紗夜。少し話したいことがあるの」
「ん?」
「場所を変えましょう。こちらへ」

子供達をその場所に残し、紗夜はフローレンスと共に木の脇を通り森の奥へと歩いていく。

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