月の民の唄

□未来はき月と共に
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「アーク達の仲間とはいつ合流出きるの?」
「今日中には出来ると思うんだけど」

向こうもこちらに向かって来ているだろうから、すれ違わなければ明るい内に合流できるはずだ。

「それより、紗夜。銃は使えるようになったか?」
「うん? たぶん」

口をモゴモゴさせながら、紗夜は銃を取り出すとアークの後ろの木に狙いを定める。

「とりあえず、狙った物には当たるようになったんだけど……」
「おい、今撃つな……」

アークの話しを最後まで聞かず、紗夜は引き金に掛けた指に力を込めた。放たれた弾はアークのスレスレを通り、見事狙った木に当たる。

「殺す気か」
「いいじゃん当たらなかったし」
「そういう問題じゃないと思うよ」
「だいたい……」
「アーク、どうしかした?」

会話の途中で黙りこんでしまったアークを不審に思い、フェイトが顔を覗き込む。

「冷たい」
「はい?」

頬を押さえながら、アークは後ろを振り返る。

「見ろよ、フェイト」
「え?」

フェイトも同じように振り返ると、紗夜が狙った木が凍りついていた。

「凍ってる」
「なんか、この前からこうなんだよねー」

もう慣れたのか、あまり気にした様子もなく銃をクルクルと回す。

「回すな。危ない」
「アーク、もしかして魔法じゃないかな?」
「たぶんな」
「魔法? これが??」

紗夜は再び銃を回し始める。

「だから、回すな」
「魔法ってね。この前説明した聖獣や精霊の力を借りるこで使える力なんだ」
「聖獣とは一対一の契約を、精霊とは呪文による貸与によって魔法を使う事が出来る」
「先生、難しいです」

紗夜は頭を掻きながら眉を寄せる。

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