月の民の唄

□未来はき月と共に
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「後々理解出来ればいいと思うよ」
「何か心当たりはないか?」
「うーん……」

ヴァルハラに来てからというもの変わった事が有りすぎて、何かと言われても直ぐには思いつかない。

「あー、もしかしたらあの夢かな?」
「どんな夢?」
「こっちに来た日に変な夢をみたんだよね。白くて羽根の生えたライオンが出てきてさ」
「それだな」
「そうだね」

疑問が一杯の紗夜を他所に、アークとフェイトは二人だけで納得してしまう。

「どういうこと?」
「つまり、よく分からないうちに契約しちゃったって事」
「えっ?」

それって問題があるのではないだろうか。紗夜の不安を他所に、二人は話しを進めていく。

「氷属性の白い獅子なんて聞いたことないがな」
「そうだね。でも全てを把握している訳じゃないしね」

アークは食べ終わった食器を片付け始める。荷物は全て水晶の中に仕舞えるので、旅をしていても身軽に行動ができる。

「氷属性だけなら魔法が使えるよ。今度、魔法に詳しい仲間を紹介してあげるよ」
「ありがとう、フェイト」

魔法に冒険。
絶対に向こうでは経験出来ない事を体験できて、紗夜は不謹慎にも楽しく感じていた。

「それにしても、アークって意外と家庭的なんだね」

エプロンをしながら後片付けをするアークを見て、紗夜はしばらく爆笑していた。

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