月の民の唄
□凍てつく風が襲うとき天馬月より舞い降りる
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「レオ、大丈夫?」
「酸素が、足りない」
紗夜たちはモンスターを退治し終わった後、場所を移動して暫しの休息をとっていた。
場所を移動した理由はもちろん景色が悪いから。
「てか、あの3人マジでどこ行ったの?」
「指名手配犯を追いかけて走って行っちゃったままだね」
その日の朝。宿で今後の事を話してる途中、宿屋の主人から指名手配の男がいるとの情報を貰った。
ここから追いかけっこがスタートした。
紗夜が聞いた範囲では、それなりにアーク達は有名人で、指名手配犯が偶然にも黒耀が追っている人物だったらしい。
そんなわけで、アーク達は今も指名手配犯を追っているはずだ。
「手伝いに行くの面倒だから、迎えに来てもらえるまで待ってようか」
「コラコラ。休んだら行くよ」
「追いてかれてんの忘れられてたりして」
紗夜がボソりと呟やいたその一言が、実は正しかったということを紗夜達は今後も知ることはない。