月の民の唄

□約束の森でうワルツ
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目が覚めると、そこには……。

顔がいっぱいありました。

「あ、起きたー!」
「え? は??」
「お姉ちゃん、おはよう」
「お、おはよう……。じゃなくてっ!!」

ガバッと勢いよく起き上がると、そこには驚いた顔や不思議そうな顔をして紗夜を見る子供達がいた。

「それよりなにより…。ここドコ?」

左右に首を動かして周囲を見れば、先程まで歩未と共にモンスターと戦っていた場所とは全く違う景色が目に入る。

一本の木を中心に、色とりどりに咲き誇る花花が咲き誇っている。
何百年もこの場所で生きてきたのだろう。中央に立つ木は、立派な幹と枝を空へ向けて伸ばし、青々とした葉を湛えている。
風に乗って葉が揺れると、光の帯も一緒になって揺れた。

「お目覚めになられましたか?」

フワリと白いドレスが風に舞う。
紗夜が視線を上げると、淡い金糸の髪が視界に入った。

「あなたは?」
「私はフローレンスと申します。この森に住む精霊ですわ」

よく見ればフローレンスの耳は人間のソレではなく、猫の耳の形をしていた。

「私は紗夜。フローレンスが助けてくれたの?」
「サーペントとモンスターの群れに襲われていたのようでしたので…」
「サーペントって?」
「蛇のモンスターのことですわ」
「アイツか。それより、助けてくれてありがとう」
「いいえ」

紗夜が礼を言うと、フローレンスは花のような笑顔で応える。

つられる様に笑顔になるが、すぐに紗夜は歩未がここに居ないことに気づき、真剣な顔に戻る。

「ねぇ、フローレンス。私と一緒にいた子がいたでしょ? あの子は……」
「大丈夫です。モンスター達は別な場所に移動させましたから」
「良かった」

紗夜が安心したのを見て、フローレンスは紗夜に手を伸ばす。
フローレンスの手を借りて立ち上がると、二人の周りに子供達が集まって来た。

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