ホスト部屋

□同僚〜番外編仕事場〜
1ページ/7ページ

自分が持って無い物を持っていた彼。
すぐにひかれた。
変だとは、思わなかった。
好きなモノは好き、嫌いなモノは嫌い。
それが自分だったから、最初は先輩として好きだった。
でも客の女性に内心嫉妬している自分に気付いた時、恋愛対象として流部さんの事が好きなんだと実感した。


綺麗な目だと思った。
心を見透かす様な目。
遊びに来る女と違って、いつも真剣に俺の事を見てるから変わった奴だなと思った。
いつの間にか、あの目の虜になっていた。
遊びに来る奴らとは違う本当の「俺」を見ているのはアイツしかいないと思うようになった。
あの瞳を自分のモノにしたいと思った。


更衣室―二人専用の部屋。
「んー。疲れたぁ…」
上着を脱いで背伸びをする。
今日は取り分け金持ちの客が多かった。
チェンジやヘルプが多発し空けても空けてもドンペリやフルーツの山が目の前に幾度と無く現れ、必ず客に飲ませられるのだ。
儲かるけど辰哉は本当は、アルコールが余り好きではなかった。
閉店の頃には立っているのがやっとの事もある。
横を見れば流部は不機嫌な顔しながらネクタイを人差し指で緩めている。
(何で起こってんだろう…?)
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ