学園小説部屋

□卒業の日まで
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キンコンカンコーン…
「サヨウナラー!」
放課後の鐘が鳴る。
教室からは帰る奴ら、部活の準備をする奴らがいる。
俺はそんな生徒の姿を見ながら、教壇の中を整理し始めた。
「先生…」
ふと気がつくと、教壇の目の前に自分のクラスの生徒がたっていた。
胸元には何か箱のような物をもち、すこし頬を赤らめていた。
「どうした?如月」
瑠璃は、箱のことが少し気になったが、それにふれないように返事をした。
如月は何かをいいたいのだろうが黙ってしまいその場に立ち尽くしていた。
「此処じゃいえないか?」
そうやってきいてみると、如月はコクリと頷いた。
瑠璃は、整理していた教壇をそのままにして如月と教室を出た。
「職員室じゃいけないか?」
廊下を歩きながら如月に問うが、如月は下を向いてしまった。
廊下を歩いていると、生徒たちが「さようなら」といってすぎていく、瑠璃は「さようなら」と返して歩き続けるが、如月からはあまり目を離せずにいた。
目を離したら消えてしまうのではないかと思うくらい、暗い表情で歩いているためだ。
職員室に行くために中庭を通ることにした。
「せっ先生!」
如月がいきなり声をかけてきた。
「どうしたんだ?」
瑠璃は一度その場で止まり如月の方に振り向いた。
 

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