テニスなお姫様もどき2
□第34話 ただいま
1ページ/8ページ
東京に帰るため、飛行場に集合した合宿メンバーの前に梓が立つ。
梓「今からヒコーキの席を発表しマッスル!」
そして梓は和巳より受け取った『帰りの飛行機座席表』を読み上げていく。
樺地 柳 和巳■忍足 大石 河村
芥川 向日 菊丸■梓 切原 越前
乾 海堂 由良■桑原 手塚 跡部
仁王 真田 不二■澪菜 鳳 日吉
桃城 丸井 夏希■恵 宍戸 柳生
喜んだりがっかりしたりとメンバーの反応は様々のようだ。
梓「フム…。アタシは英二と赤也のトナリだね」
夏希「確かに恵さんの隣ではあるが、何か騙された気がする」
腑に落ちない顔の夏希が呟く。
澪菜「そんなことないよ」
梓「そそ。いいじゃん、亮もブン太もピロシも桃ちんも嫌いじゃないんでショ?」
夏希「どうでもいい」
梓「あらら…。夏希ったら、て・れ・や・さ・ん」
夏希「馬鹿梓。お前、頭握り潰すぞ」
鬼の様な形相の夏希の手が梓の頭に伸びる。
梓「そうは行くカ!」
梓は夏希の腕を避けようと、身体を反らす。
上手く夏希の腕からは避けることができたが、梓の頭は、運悪く後ろを通り掛かった越前の肩に激突する。
梓「ギャッ!」
越前「いてっ!」
梓はぶつかった勢いで地面に倒れる。
由良「あらあら…」
由良は、まるでそれが映画やテレビの中の出来事であるかのように落ち着いて見ている。
澪菜「二人共、大丈夫?」
澪菜は心配そうに二人に駆け寄る。
越前「一体何なんスか…」
越前は自分の肩をさすりながら、眉根を寄せてこちらを睨む。
夏希は越前を睨み返し、自分には責任がないことを主張する。
夏希「梓に言え。全責任はその馬鹿にある」
梓「夏希の言う通りです」
梓がむくりと起き上がり、越前の目の前に立つ。