テニスなお姫様もどき

□第2話 合宿会議@
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忍足「高等部の超有名人、あの月城和己さんといつも一瞬にいてはる人でしょ」


恵「そういう認識なんだね」


忍足「ん?確か、由良ちゃんの名字も月城…」


由良「久しぶりね。澪菜に恵」


澪菜「由良、久しぶり」


恵「お久しぶりです、由良さん」


恵は由良の家の会社でアルバイトをしている。
そのためか、由良だけには敬語を使い、さん付けをする。


澪菜「こんにちは。
えーと…、二年生の子は初めましてだよね。
わたしは恵くんの妹の長澤澪菜。
立海のマネージャーだよ」


澪菜は部室の氷帝レギュラーに挨拶をする。
レギュラーの皆は着替えただけで練習もしないで待っていた。


日吉「へぇ…、兄妹のわりに全然似てないんですね」


夏希「お前、ちょっとは気を使え!」


日吉「はい?」


澪菜「大丈夫だよ、夏希。
日吉くん、気にしないでね。
恵くんと似てないのは、私が長澤家の養女で、恵くんと血がつながってないからだよ」


梓「よし!全員そろったし、合宿についての話し合いしよ。
って、何泣いてんの!」


見ると澪菜の左目から大粒の涙が流れていた。


澪菜「え。こ、これは泣いてるんじゃないよ。
ごめん。すぐに戻るから先に始めててね」


そう言って澪菜は部室を飛び出した。


恵「澪菜…」


恵は妹を心配して追いかけようとするが、由良がそれを遮る。


由良「………日吉くん、あなたが追いかけてちょうだい」


日吉「何で俺なんですか」


夏希「お前の心無い一言の所為だろうが」


梓「夏希、ワカシは悪くないす。
澪菜の事情を知らなかったんだからね。例え、女の子を泣かせちゃってもね」


日吉「……ハァ。
行けば文句は無いですか」


由良「ええ」


由良はにこりと微笑んだ。


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日吉が部室を出ると、澪菜は扉のすぐ横、部室の壁にもたれてうつむいていた。


日吉「…大丈夫ですか?」
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