テニスなお姫様もどき

□第4話 終業式の日
3ページ/9ページ

夏希「さっさと帰って一人で準備して来い!」


夏希はそんな梓を冷たく突き放す。


梓「えー、そんなぁ」


澪菜「何を手伝えばいいの?」


梓「おぉ…、澪菜が女神さんに見えるよぉ」


澪菜「大げさだよ」


梓「それじゃ、澪菜にはアタシの非常食をお願いするヨ」


澪菜「え、非常食!?」


梓「このリストにあるものをよろしく頼むヨ」


そう言って梓は澪菜に、四つに折り畳まれた紙をそっと渡す。

澪菜がそれを開くとそこにはチョコレートや飴玉、ポテトチップスといった菓子の名が連なっていた。


澪菜「お菓子じゃない!」


梓「何言ってんの!非常食だよ非常食」


澪菜「…何にしても、買いすぎだよ、太るよ」


梓「みんなの分だよ」


澪菜「うーん…」


梓「さぁて、スーパーのお菓子売り場にれっつらごぉさ」


澪菜「行ってくるね」


こうして梓と澪菜はスーパーへと向かう。


由良「さて、私たちはどうしましょうか」


夏希「いや、どうするも何も特に用事もねぇし」


と、そこへ由良の部屋の扉がノックされる。

二人が扉の方へ顔を向けると、氷帝学園高等部の制服を着た少年がいた。

彼は由良の兄で和己という。
由良と同じく美形だが、母親似の由良と違い彼は父親似で、あまり似ていない。


夏希「何だ、和己さんか…」


和己「今、澪菜と梓の二人が出てったけど、どうしたんだ?」


夏希「馬鹿のお菓子買いに行った」


和己「菓子?」


由良「お兄様には関係が無いですわ。それより、何か御用でしょうか?」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ