テニスなお姫様もどき2
□第31話 肝試しパニック2
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柳「それならここで潰れているが」
忍足「な、何でや!」
切原「やべ…。
そ、そういえば何があったんスか」
眼鏡を潰した張本人の切原は急いで話をそらす。
忍足「ちょっと、いろんなことがあってな」
さすがに女の子に殴られて気絶したとは言えない。
菊丸「いろんなことー?」
忍足「まあ、それはええやろ…。
それよりウチの班の奴らはどこ行ったんや?」
菊丸「俺達が来たときには、もう忍足以外いなかったから知らないよ」
忍足「そうか…。
もしかしたら澪菜ちゃんと一緒に行ったんかもしれへんな」
菊丸「何で脅かし役の澪菜がそこで出てくるのさ」
忍足「いや、さっき会ってな」
切原「あ!
真田副部長、自分ばっか楽しい思いしてるんだ」
柳「だろうな」
菊丸「ずっるいよなー。俺だって梓と一緒に肝試しやりたかったのに」
切原「な、アンタも梓っスか?」
菊丸「え、切原も…?」
ライバル発見。
忍足「何や。自分らごっつ趣味悪いな」
切原「忍足さんに言われたくないっスよ」
菊丸「そうそう。夏希って怖いじゃん」
忍足「分かってへんな。夏希はああ見えてめっさ可愛いんやで」
柳「……それはそうと、早く行かないと遅くなるぞ」
忍足「せやな。しゃあないから俺もこの班に一緒させてもらうわ」
ほぼ無理矢理に忍足は五班に加わった。
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進行役の三人はゴール地点の前でメンバーの帰りを待つ。
恵「遅いね、みんな」
海堂「ああ、まだ一班すら帰って来てないしな」
桑原「そろそろ帰って来てもいい頃なんだが…。
……おっ、帰って来たな」
桑原は三つの影を見つける。
近づいて来る影は夏希と宍戸と不二。
夏希は恵の姿を確認すると宍戸と不二を引き連れ、こちらに走って来る。
恵「お帰り、大丈夫?」
夏希「はい、何ともありません!」
夏希は恵に心配をかけまいと強がる。
恵「二人がちゃんと守ってくれたんだね」
夏希「え…?」
ここで夏希は気付く。
いつからか夏希の手は宍戸と不二の手と繋がっていた。
夏希「な、なんだこれ…」