テニスなお姫様もどき2

□第31話 肝試しパニック2
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バサァ…。


突然、風の音がしてキィキィと言う鳴き声がした。


澪菜「う…」


真田「おい、澪菜。危ないぞ」


澪菜「え…?」


ぴたりと澪菜は立ち止まり、前方を見た。

もう少しで木にぶつかるところだった。

澪菜は真田に、止めてくれたことに礼を言う。

そしてしばらく考え込み…


澪菜「ねぇ、今まで黙ってたけど、実はわたし…」


何かを決意したかのような顔で語り出す。


澪菜「暗いところ、駄目なの」


日吉「でしょうね」


澪菜「え…、あれ?」


二人は何をいまさらといった様子で澪菜を見る。


澪菜「……ごめんね。

よかったら、服引っ張って行ってもいい?」


真田「ああ……」


日吉「駄目です」


日吉はきっぱりと言い放つ。


澪菜「……ご、ごめん」


日吉「……手なら貸しますよ」


そう言って日吉は澪菜に向かって左手をのばす。

それを見て真田も急いで右手をのばす。


澪菜「え…。

あ、ありがとう…」


澪菜は二人の手をとる。


真田「さ、さて行こうか」


真田の顔は真っ赤になっている。


澪菜「うん……」


真田「そ、それでお前の持ち場というのはどの辺りなのだ?」


澪菜「……それは」


どどどど…。


梓「きゃあ!若と真田ったら澪菜と手なんか繋いじゃって、やらしー」


コースを逆流している梓グループが走ってきた。


鳳「えっ、手?」


日吉「梓さん、手を繋いでいるくらいたいしたことはないでしょう」


そして日吉は目を見開いている鳳にニヤリと笑いかける。


鳳「……!」


澪菜「あ、そうだ鳳くん。さっきはごめんね。大丈夫…?」


鳳「澪菜さんの…、澪菜さんの馬鹿!」


鳳は泣きながら走っていく。


澪菜「……あ」


梓「うぉーい、ちょたろ!待つなりー」


向日「今度は鳳かよ!」


梓と向日も鳳を追いかけ、走っていく。


澪菜「鳳くんに嫌われちゃった…」


真田「大丈夫だ。後できちんと謝ればいい」


日吉(そうじゃないだろ…。何だこの二人)
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