テニスなお姫様もどき2
□第32話 眠れない夜
2ページ/6ページ
夏希「……何か、お前も意外と大変なんだなと思ったな。
よりによって日吉とかよ…」
澪菜「日吉くんとかが嫌とかで怒ったんじゃないよ。
それより、勝手にそういう誤解するのは相手に失礼だと思うし…。
何より恵くんに信じて貰ってないんだな…って思ったら…つい馬鹿って言っちゃったの。
でも、やっぱり後になって考えたら、せっかく心配してくれてる恵くんに対して何てことを言っちゃったんだろって…」
夏希「……ハァ。
……あの人なら別に怒っちゃいないだろうよ」
梓「そうそう。気になるんだったら一言謝っちゃえ」
澪菜「……そうだよね。
うん、ありがとう。
わたし、恵くんに謝ってくるよ」
そう言って澪菜は、落ち込んで俯いていた顔をあげる。
夏希「ああ、待て。
あたしも行く」
梓「んじゃ、みんなで行こう!」
こうして夏希、梓、由良は恵に謝りに行く澪菜について行くことになった。
-----
今まさに、部屋を出て恵のもとへ向かおうとした三人に夏希は真顔で尋ねる。
夏希「それで、恵さんって今はどの部屋にいるんだ?」
澪菜「………」
梓「知らないヨ?」
由良「以前は大石くんや河村くんと一緒だったけれど…」
梓「じゃあ、そこじゃん?」
由良「けれど、恵はお兄様のお目付けだから一緒にいるはずよ。
そして、お兄様は跡部くんに部屋を用意させているはず」
梓「うーむ…」
夏希「誰も恵さんに聞いてなかったのか?」
全員が無言になる。
梓「跡部に聞くしかないようだネ」
澪菜「でも、こんな遅くに迷惑じゃない?」
只今の時刻は11時をまわっている。
夏希「跡部の都合なんざどうでもいい」
跡部「何、勝手なこと言ってやがんだ、てめぇは」
丁度いいタイミングで跡部が歩いてきた。
梓「ナイスタイミング!」
由良「あなたは何故こんな時間に出歩いているのかしら」
跡部「そりゃこっちの台詞だ」
梓「アタシ達は澪菜のツキソイなのさ!」