テニスなお姫様もどき2
□第32話 眠れない夜
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跡部「アーン?
一体、何の付き添いだ」
夏希「お前には関係ない。いいから恵さんの居場所を教えろ」
跡部「恵さんなら部屋にいるんじゃねぇか?」
夏希「だから、その部屋の場所を教えろって言ってるんだ」
夏希の高圧的な態度で跡部は不機嫌になる。
梓「まぁまぁ。
二人とも落ち着いてくれい!」
由良「そうよ。こんな所で揉めても仕方がないでしょう」
険悪なムードの夏希と跡部の二人を梓と由良はなだめる。
澪菜「跡部くん、お願い。恵くんの……」
がしゃああん…!
突如、何かが割れる音が建物内に響いた。
夏希「何だ、今の音…」
梓「スゴイ音がしたヨ」
由良「行ってみましょう」
由良の提案に他の四人は頷き、音のした方へ向かう。
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そこには桑原と和巳が立っていて、床には芥川と恵らしきものが倒れている。
そして、前方の窓は何故か粉々に砕かれている。
夏希「何やってんですか、和巳さん……」
夏希は和巳に呆れた顔を向ける。
和巳「俺じゃねぇよ!」
懸命に否定する和巳を見て、今度は桑原に目を向ける。
梓「ジャッカル…?」
桑原「俺でもねぇよ!」
和巳「これはただの事故だ。
へこんでいた恵が急に思い付いたように部屋を飛び出した。
そしたら部屋の前で寝ていた芥川に恵がつまづいて、持っていたダンベルが手から離れ、窓に当たってがしゃああん、てな」
跡部(ダンベル…?)
和巳「俺は恵について行こうとしただけだ」
桑原「俺は芥川を呼びに来ただけだぜ」
夏希「つまり、悪いのは芥川か…」
夏希は恵の下で倒れていた芥川をちらりとうかがう。
跡部「いや、ちょっと待て。ダンベルってのは何だ」
和巳「……それは多分、日吉と真田を殺るためだろう…」
由良「……澪菜に馬鹿と言われたことで暴走しているわね」
澪菜「そんなに恵くんを追い詰めてたなんて…。
ごめんね、恵く……!」
恵に謝ろうと近寄った澪菜は恵の下の芥川の足につまづいて恵の上に倒れる。