テニスなお姫様もどき2
□第34話 ただいま
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梓「リョーマ、ごめんなさい。私が全部悪かったんです」
普段の梓とは違う表情と口調でぺこりと頭を下げる。
全員の頭上にハテナマークが現れた。
澪菜「梓…?
ねぇ、夏希。梓が…」
夏希「きしょいきしょいきしょい…」
夏希は鳥肌をたて、その言葉をぶつぶつと繰り返している。
澪菜「夏希…」
梓「澪菜。一体、夏希はどうしたんですか?」
梓は首を傾け、澪菜に聞く。
澪菜「え、と……。梓が心配なんだよ」
澪菜は少し考え、笑顔でそう答える。
夏希「まぁ…、確かに心配だ…。こいつの頭がな」
由良「頭を強く打ちすぎたのね。真面目な梓だなんて…。
これはこれで可愛いけれど」
夏希「可愛くねぇ。キモいだけだ!」
跡部「おい、なにやってんだ。早く乗れ」
跡部の声が聞こえた。
周りを見回すと自分達以外はすでに飛行機に乗り込んでいた。
夏希はため息をつき、梓を引き連れ澪菜達と共に飛行機に乗り込んだ。
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澪菜「あ…」
飛行機に乗り込み、自分の席まで来た澪菜は、座っている鳳の姿を見つけ、即座に頭を下げる。
澪菜「鳳くん、ごめん」
その姿を見て、鳳を始め周りの者が一斉に澪菜を見る。
鳳「な、何で謝るんですか」
澪菜「殴っちゃったでしょ…。
怒ってないの?」
鳳「怒るわけないじゃないですか」
澪菜「良かった。せっかく友達になれたのに、嫌われちゃったらどうしようかと思った」
『友達』という言葉が鳳に重くのしかかる。
鳳「……嫌いになんてなれませんよ」
澪菜「そう。うん、ありがとう。
これからも友達でいてくれる?」
澪菜は鳳に向かってにっこりと微笑む。
鳳「は……、はい………」
鳳は悲しそうにそう答えた。
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離陸後、梓は周りの者が目を見開いてこちらを見ていることに気がついた。