テニスなお姫様もどき2

□第34話 ただいま
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周りの者は梓の行動がおかしいことが気になっているのだ。


梓「どうしてみんなさっきから見るんですか?」


梓は首を傾ける。


菊丸「んー…、別に何でもないにゃ」


梓「そうですか?」


梓は深くは気にせず、和巳から借りた『宇宙心理論』という本に目を向ける。



梓「……やっぱり視線感じるんですが」


切原「アアンタがへ変だからと当然っスよ」


切原は動揺していて梓に対して何故か敬語だった。


梓「へへん?ととうぜん?

……って何ですか?」


切原「えっと、その…」


向日「お前、一体どうしたんだよ」


梓「何がですか?」


向日「お前、いつもそんな難しい本なんて読んでないじゃん」


梓「結構面白いですよ。岳人も読みますか?」


向日「そもそも何で急に敬語なんだよ」


梓「知りません。急に怒らないでください」


梓は怯えた顔で向日を見つめる。


向日「うっ……」


菊丸「梓、向日なんかほっとけって」


向日「おい、菊丸!」


梓「ちょっと、何で喧嘩するんですか。

仲良くしましょう」


梓にはいつものふざけた様子もない。


向日「……っ」


忍足「さっきからうるさいんやけど…」


梓の前席から忍足が不満そうな顔を出す。


向日「仕方ねぇだろ。梓が変なんだよ」


忍足「変て…、梓はいつも変やろ…?」


向日に言われ、忍足は梓をじっと見つめる。


梓「侑士…、何ですか?」


梓はきょとんとした顔で忍足を見返す。


忍足「……可愛いやん」


向日「あっ、侑士。テメェ」


忍足「そないに敵意むき出しにせんでもええやろ。

まあ、確かにおかしいなぁ」


向日「……だろ」


向日はムスッとして忍足から梓に視線を移す。

梓は再び本に目を向けていた。


向日「あんなの梓じゃねぇし……」


忍足「へー…。ほな、ほんまの梓てどんなんや」


忍足はニヤニヤとからかうように向日を見る。
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