はなし

□フルーツケーキの記憶
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「ヴィルヘルム様、砂糖を3倍入れてくださいまし。」

「あぁ…」






ヴィルヘルムは言われた通りになれない手つきでシャルロットが両手で固定しているボールに、砂糖を3倍入れた。
彼はおっくうそうな顔を隠さずに、もくもくと隣に居る彼女の言うことに従ってケーキを作る手伝いをしている。
シャルロットは上機嫌でクリームを練っている。

さて、何故あの有名な暗殺者がキッチンで料理をしているのかというと、「つぐない」が理由らしい。
何カ月もお仕事で愛しの恋人をほったらかしにしてしまったヴィルヘルムは「何かつぐないをしよう」と言い、「ではケーキ作りを一緒に致しましょう」と答えられたのだ。


ヴィルヘルムはこの返答に面食らった。
と、同時に面倒なことになりそうだ……と予感した。


「ヴィルヘルム様、この苺とグレープフルーツを縦に切って下さい」

「ああ」

「オーブンの余熱お願いします」

「ああ」

「クリームは優しくですよ」

「ああ」


シャルロットにあれをしろ、これをしろと言われるのは初めてだった。
最初はつまらない、つまらないと思っていたが、ケーキが形になってくるにつれ、楽しさが少しだけうまれてきた。


「さぁ、出来上がりました。有難う御座います、ヴィルヘルム様」

「…どういたしまして。楽しかった、シャルロット」




(隠し味は二人の暖かな気持ち)



・フルーツケーキの記憶・

3万打リクエスト有難う御座います!!
死ぬほど遅くなってすみませんでした、いえ本当に土下座ですね。。

ヴィルはきっとガーデニング好きだし、家庭的なものに興味持つといいよねっていうはなしでした(…)
お持ち帰りはリクエストして下さった方に!

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