冥王の口付け
□想い人
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志乃が出てってすぐ、オーヴァンが転がりこんできた。
「…っく!!」
オーヴァンが浮かべる苦悶の表情に困惑し、ハセヲは駆け寄る。
「来るな!」
オーヴァンの威圧を込められた声に立ち止まる。
「…志乃に媚薬を飲まされたみたいだ…ハセヲ、っく、早く俺の前から消えろ」
「?、媚薬って何だよ。苦しいなら看病してやるよ。」
そう言って近付こうとするハセヲをオーヴァンは牽制したがハセヲはオーヴァンの頭に手を当てた。
「熱でもあるのか?」
「…くぅ」
触られたところから快感が全身に伝わり声を漏らした。
その声を聞いたハセヲは胸が苦しくなり切なげに名前を呼んだ。
「止めろっ、媚薬も知らない様だから教えてやる。性的興奮を起こす薬だ。」
「オーヴァンっ」
威嚇しながら苦しそうに話すオーヴァン、見るに耐えない。