冥王の口付け
□重なる想い…
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薫とリアルで会う事になった。
この間の一件で俺達はゲーム中だけではなく、リアルの恋に発展したのだ。
薫は引きこもりだが亮の為、会いにくると言うのだ。
地図をメールに添付して送っておいたが、なにしろ何年も外に出なかった薫が無事辿りつけるか心配だ。
(俺が行くべきだったか…)
しかし、一生懸命に外を歩く薫を想像するとなんだか微笑ましい。
実際に会った事はないのだが…
「ん?」
ケータイがなった。表示には“薫”と出ている。
亮は慌ててケータイにでる。
「もしもし、薫!?」
「亮…」
どうやらもう家の近所の駅まで来ているらしい。
やっぱり待ちきれず、財布とケータイを持って走りだした。