虚ろの夢

□海を越えて
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「来ちゃった」

そう軽く言って高松城の主の部屋に入ってきたのは四国の領主、長宗我部元親。

「ちかか、何をしに来た。呼んだ覚えはない」

元就は手元の筆から目線を離さない。
政に追われかれこれ数日籠もりっぱなしだ。


「お前をさらいに来たんだよ。」

耳元で息を吹きかけるように言うと驚いたのと感じたのとでかわいい表情をする。

元就がハッと気づいた時にはすでに遅かった。

「四縛!」

投網に捉えられた元就には成す術がない。

「悪ぃが元就借りてくぜ〜」
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