二次小説

□耳掻き
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耳がムズムズする……

「高階〜耳掻き棒知らねえ?」

「えっと、確かここに」

そういいながら高階はカラーボックスの中の救急箱をあさる…

「あっ!ありましたよ、先輩」

耳掻き棒を持ったままトテトテと小走りに俺の方までやってくる

「サンキュ……おい、渡せ」

「やってあげますよ♪」

そういいながら、高階は正座をし、ポンポンと膝をたたく

「…いやだ」

「遠慮しないで下さい」

「遠慮じゃねぇよ」

膝枕で耳掻きなんて、恥ずかしい…


「こないと、先輩が眠っている隙に寝顔を見ながら耳掻きしちゃいますよ」

それはヤメロ

「観念してください、先輩」

語尾にハートが付きそうな言い方をするな…

「…変なことするなよ」

「しませんよ、さあどうぞ」

俺はしかたなく高階の膝に顔を外に向けて頭をおく

「じゃ、始めますね」

やんわりと高階の指が耳を掴む

「んっ…」

くすぐったい

「あっ危ないから、動かないでください」

「わかってる」

「先輩もしかして耳弱い?」

楽しそうに聞いてきやがるなこいつ

「…親以外にされるんだから緊張するだろ」

「そうですね、よし、じゃあ本当にいきますよ」

そういいながら高階は耳掻き棒を耳の中に入れる
カリカリ…あ〜こいつ巧いな…

「先輩、終わったら、俺のお願いしますね」

「自分でやれ」

「え〜いいじゃないですか、耳掻きのしあいっこって夫婦みたいで」

「…鼓膜破ってもいいんだな」

「それは…勘弁してください…ちぇっ」

「手動かせ」

「は〜い」

カリカリ…

「先輩、こんどは反対側」

「…ん」

くるりと向きをかえると高階と目が合った…ハズイ

「じゃあいきます」

カリカリ……………

「先輩…先輩?あれ?寝ちゃいました?」

「………」

「可愛いなぁ、先輩たら」


そうして俺はたっぷり一時間、高階の膝の上で眠ったのだった……そして、それからしばらくの間、俺は高階に

『膝枕してくださいよ、先輩』

と、しつこく言われることになるのだった…


END

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