小説の小部屋

□プロローグ
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高松凌雲―。
久留米藩筑後国御原郡古飯村(現在の福岡県小郡市古飯)の庄屋の3男として生まれ、18歳で庄屋見習いとなり、21歳で久留米藩家老有馬飛騨の家臣川原弥兵衛の養子となる。
後、脱藩。医師を志し大坂、江戸へと向かい・・・・・先に脱藩していた兄、高松勝次(古屋佐久左衛門)と再会する。
その後、石川桜所、適塾と学び・・・・やがて一橋家の医師となり、慶喜が将軍になると奥詰医師に。
奥詰医師就任4ヵ月後、巴里万博派遣使節の随行医師の命を受けフランスへ。
凌雲はそこで西洋医学と、博愛の精神を学んだ。

それから1年と5ヵ月後・・・・使節団は帰国を余儀なくされた。
戊辰戦争の悪化が理由であった。


日本に帰った彼らを待っていたのは・・・・大政奉還され、戦争状態の日本であった。薩長がのさばる世の中、幕臣達は官軍となった薩長に従わぬと・・・弾圧された。まさしく『勝てば官軍』の世界だった。
幕臣である凌雲は、自分の身の危険を感じた・・・・。
そんな中、薩長のやり方に異を唱え徳川への忠義を貫こうとしていたものがいた。幕府海軍副総裁、榎本釜次郎武揚―。彼は品川沖にあった艦隊の引渡しを拒否して艦隊で脱走した。榎本に賛同した旧幕府の家臣と共に。
やがて凌雲は・・・・・仲間と共に榎本軍へと身を投じることとなる。それはまさしく『脱走』であった・・・・。
彼らは・・・航路を北に定めた。
このとき凌雲、33歳。・・・・後の人生を変える、新たな船出だった・・・・。

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