まとめてみる
□白い嘘
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――――白い嘘
どうしようって顔してた。
多分自分でもわかってない。
だからそっと抱き寄せた。
触れた温かさから安心が生まれるから。
「落ち着け」
そっとこっちを見た。
その困惑した、泣きそうな顔で。
「大丈夫だから」
なんの保証もないのに。
自分には何もできないのに。
「本当に大切なのはどっちだ?」
「…貴方と答えたいです」
「駄目だ」
両手で顔をはさみ、無理やり視線を合わせさせる。
「涼宮…だろ?」
「…はい」
好きなのに、大好きなのに。
一緒にいることが、本当に大切な存在であることが
いけないことなのですか?
だったら僕は
こんな世界―――――