Be happy together

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「…お願い?」


「自分の魂を武器である息子に食べさせてほしい、と。」


「っ、…。」


「カイト様がお強くなられることを望んでおられたのでしょう。」


「…、…。」


「…じゃが、結果、主は鞭を使いこなせてはいぬ。
悲しみを負わせただけであったな、…すまぬ。」


「…、使いこなせねーのはオレの責任だ。謝んじゃねぇ。」


「……。…、ケイ。」


「御意。ユイ様、カイト様、ソウル様。今すぐこの場を立ち去って下さい。」


「は?」


「なんで、そんな急にっ…。」


「あなた方のお仲間も直に目覚まします。
メデューサがくる前にお早く。」


「メデューサ…!?何でアイツが…。」


「メデューサは妾を殺すつもりじゃからな。
この場に主等が居合わせては主等も殺されよう。」


「…、とりあえず気絶してる奴らをどうにかしねーとな。」


「…その心配は無用じゃ。」


「どういう意味だ?」


「小奴らは妾が作った幻覚じゃからな。」


「これが幻覚!?」


「この部屋に入ったときから貴女がたは幻覚を見せられていたのですよ。」


「待って。私はみんなが倒されるのを見てます。」


「その時は、まだ幻覚ではなく、本人に気絶してもらったのじゃ。
しかし、妾の幻覚を使うことで小奴らが目を覚ましても幻覚では気絶したままということじゃ。」


「(…いまいち良く分からねぇ。)」


「なんでそうする必要がある?」


「……主らと話をしたかった、」


「え…?」


「口で話すより、見せたほうが早かろう。」


アゲハが幻覚をとく。
すると、縄でぐるぐるに巻かれたみんながいた。


「マカ!大丈夫か!?」


「う、うん。」


ソウルが縄を切る。


「!ケイ、急げ。もう時間はないようじゃ。」


「!?、御意。アゲハ様もお気をつけて。
皆様は私についてきてください。」


ケイを先頭に、みんなで避難を始める。


「あの、貴方は?」


「妾はここに残る。」


「!?、死ぬ気なのか?」


「…少々勝手が狂ったが妾の目的は変わらぬ。
主らを逃がすまでの時間稼ぎぐらいは出来よう。」


「……。」


「…怖いんですか?」


「何じゃと…?」


「私たちと向き合うのが怖いから死ぬんですか?」


「早くゆけ。逃げ遅れるぞ。」


「テメェの言うことを聞く義理はねぇな。」


「最後まで兄は反抗期か。困ったものじゃな。
今妾たちに向けられている殺気に気付いていないようであれば今すぐ立ち去れ。足手まといじゃ。」


「「!?」」



次の瞬間、オタマジャクシの形をしたものがユイの近くに浮き始める。


「これって…!?」


次の瞬間爆発音が響いた。



31章に続く
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