キューティクル探偵因幡

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そして数日後。


「こほっ、けほっ…。」


「んー、やっぱまだ熱いな。今日はちゃんと寝てるんだぞ?」


「うん、ごめん…。」


「圭も風邪だし、流行ってんのかもな。
なんか欲しいもんあったら連絡しろよ?買ってきてやるからさ。」


「ありがとう。」



そう言うと洋は仕事に向かった。
くしゃみの勢いでしっぽも出ちゃったし、今日は家から出ないほうがいいかな。

家でゆっくり寝ていると洋が帰ってきたのか、隣の部屋の扉が開かれる音がする。
そして、しばらく時間がたってからまた開かれる。洋が何処かに出かけるのだろうか。

そんなことを上手く回らない頭で考えていると窓ガラスが割れる音がして飛び起きる。



「…まさか、泥棒!?」



急いで洋の部屋へと向かうと洋は電話を、優太くんは洋にドライヤーをかけていた。



「……え?」


「なまえ!?もう熱大丈夫なのか?」


「……、窓ガラスが割れる音がして…。」


「あぁ、すいません。それ僕です。」



優太くん!?



「……、まだ夢見てんのかな。(…、頭痛いし。)」



その後、私は意識を失ってしまい覚えていない。
目を覚ましたときには、私は洋の部屋のベッドに寝ていて、洋がいた。



「…、ひ、ろし?」


「なまえ。風邪良くなるまで家出るなよ?オレが看病してやるから。
今、なまえは耳と尻尾出てるしな。」


「…う、ん。」


洋が私の頭を優しく撫でてくれる。



「圭は大丈夫そうだし、なまえも早く治せよ!」


「ん、…ありがと。」



(よぉ!なまえ!)
(…げ、)
(なんだよー、逃げることないだろ。)
(……。)
(あのときは昔みたいに可愛かったのになー。
どうしてそうなっちゃったんだ?)
(緒方がウザイからだよ。)
(えー、ウザくないって。)
(……それだけじゃ、ないけど。)
(…、どうした?)
(!、ううん、何でもない。)


主人公の過去を少し触って行こうと思います。
+主人公を遥と聡明と絡めたり…。
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