キューティクル探偵因幡

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「なまえ…?お前、なにしてんだよ…!?」


洋が混乱したように不安そうな目を私に向ける。
それもそのはず。だって私は洋に銃口を向けているのだから。



「なまえさん!!なにやってんの!操られちゃったの!?」


「なまえさん、」



圭くんや優太くんも混乱しているようだ。


「…ねぇ、洋。」


「…、んだよ。」


「例えばさ、私がここで洋を裏切ったら…洋はどんな気持ち?」



私の問いに洋は瞳を大きく揺らす。
洋は何も言わなかったため、私は洋の眼鏡を外す。
目を見れば分かる私にとっては言葉は必要ない。
洋の考えは私に筒抜けだ。



「聡明。私、決めた。」


「……。」






「私は野羅には入らない。」


「…理由は?」


「警察が私にしたことは確かに許せない。
けど、警察のなかにも暖かくて優しい人がいることを私は知ってる。」


「!、」


「…それに、洋を裏切りたくない。」



私は銃口を洋から聡明(弥太郎くん)に変える。



「残念だ。」


「聡明、今日はひいて。」


「…出来ねぇ相談だな。」


「今すぐ私がコレで撃ってあげてもいいんだよ。私の銃の腕は知ってるでしょう?」


「撃てんのか?」



聡明の問いに私の手は震え出す。訓練はしたものの、撃ったことなんてない。
撃とうとしても自分が狙われた過去が蘇り頭が真っ白になる。




「…っ、」




私が銃を持ち直すが、荻さんが聡明(弥太郎くん)の腕を撃った。



「っ!?」


「荻!」


「洋は荻さんの治療を!」


「あぁ!」


「…聡明、今日はひいて。弥太郎くんが死んじゃうよ。」


「っ、…チッ、帰るぞ。」



聡明(弥太郎くん)が歩くとそれに付き添って夏輝ちゃんが歩いていく。
遥は私の方をじっと見つめていた。




「…ごめんね、遥。私、遥と一緒にはいけない。」


「……、いいよ。なまえは僕がにーにから奪うから。またね。」



遥も帰って行った。



「!?、おいなまえ!遥に何言われたんだよ!」


「?、一緒にきてほしいって野羅に誘われただけだよ?」


「!、くそっ…遥の野郎!」


「どうしたの、洋。」


「…なんでもねー、」


「…因幡さんも大変だな。」


「圭くんもね。」


「え!?な、なに言ってんの優太くん!」


「焦ってるってことは図星じゃないの?」


「っ!べ…別に焦ってはないけど。」




「よし、帰るぞ。圭ー、優太ー!」


「はーい先生!」


「あ、はい!」





(なあ、)
(なに、洋。)
(……なまえもオレを残してどっかに行っちゃわないよな?)
(……洋、)
(オレといてくれんだよな?
……、わり、なんか不安になっちまって…、)
(うん。ごめんね、あんなことして…。
でも迷ってたんだ。)
(!?、…野羅にはいんのか?)
(ううん、もういいの。
私が野羅に入ったら悲しむ人が何人もいてくれることが分かったから。)



久々で申し訳ない。
リアルが忙しいのもあるのですが、新しいパソコンに慣れない!!
打ち間違いなんてしょっちゅうです…orz
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