キューティクル探偵因幡

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「洋ー!」



私は買い物で買ったものを手に持ち、事務所の扉を勢い良く開ける。



「どーした、なまえ。」


「ふっふっふ、聞いて驚け!」



私は買い物袋の中から4枚のチケットを取り出す。



「はい、これ。」


「なんだこれ。…温泉?」


「そ、福引きで当たったんだ。4名だから、私たちで行こ?」


「温泉ですか、いいですねー。」


「ヤギのせいでストレス溜まってるしちょうどいいね。」


「でしょ?だから洋、行こうよ!」


「あぁ。楽しそうだし、いっちょ行ってみっか!」



ということで私たちは温泉へと向かった。



「うわー、綺麗な景色。」


「本当ですねー。」


「因幡さん、チェックイン終わったの?」


「おぅ。オレと圭が同じ部屋で、その隣の部屋がなまえと優太だ。」


「ありがとう。じゃあ早速お風呂行く?」


「んじゃ、浴衣着て集合な。」




そして浴衣に着替え、風呂へと行く。
洋たちは先に入ったみたいだ。まずは露天風呂から入ってみようかな。
外に出るとおなじみのメンバーがいた。



「な、なんでヴァレンティーノたちまで…?」



次の瞬間、弥太郎くんがガブリエラに殴られている。
な、何事!?



「なまえー。こっちこっち。」



遥に呼ばれ近くへと行く。あ、洋もいる。



「な!?なまえ!?」


「うん。一緒に入っていい?」


「だ、ダメだ!戻って室内の風呂にしろ!!」



洋が頬を赤らめながら、私から視線をそらす。



「えー、一緒に入ろうよ。小さいころもよく一緒に入ったじゃん。」


「何言ってんだ遥!…えーと、その…!、ヤギがいんだぞ!何かあったら…!」


「じゃあにーにはなまえを仲間外れにするの?(なまえを見られたくないんだろうけど、それが何でか気付いてなさそうだな。
にーに鈍いし。)」


「え!?それは…、」



結局、洋は遥に負け、私は露天風呂に入ることができた。




「(洋は遥に口で一生勝てないな。)
…そういえば何で赤いの?」


「弥太郎の血だよ。」


「弥太郎くんの?あぁ、ガブリエラが殴ってたね。何したの?」


「自分で見ればいいんじゃない?」


「だって今気絶しちゃってるし…、(メガネ外してるから色々情報とれるかと思ったのに。)」


「……。」


「遥?どーした?」


「んー、何でもない。にーに後で背中流し合いっこする?」


「おぉ、いいな。やるか。」



そんな洋と遥の会話を聞いて昔が懐かしくなった。
しかし、昔は洋や遥との楽しい思い出ばかりではなく、少し辛かった思い出も思い出しかけたので、私は考えないようにした。
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