キューティクル探偵因幡

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私は最近オープンしたケーキ屋さんに買い物にきていた。



「さーて、早く帰ってみんなと食べよう。」



少し早足で帰宅を急ぐと、途中で洋と圭くん、ステラに会った。
3人は何かを見ているようだったのでこちらに気付いていない。



「洋、圭くん、ステラ。何してるの?」


「なまえ!」



3人の見ている方を見てみると荻さんと緒方が何やら言い合っていた。



「実は、………ってことで。」



圭くん曰わく、ヴァレンティーノのぬいぐるみが洗脳マシーンとなっていて、ヤギから電話がかかってくるとお金を振り込んでしまうという詐欺が起こっているらしい。
しかも、緒方も洗脳された1人だ。



「ふーん。何か洗脳系多いね。」


「だよな。で、どーやって戻すか…。」


「…因幡さん。オレが洗脳された時はルナへの愛で目が覚めた。
犬の可愛さをアピールして緒方さんの犬好きを呼び起こすんだよ!」


「オレが!?」



圭くんに言われた洋は緒方の前に行き、犬の泣き真似やお手、回ってからわん!と言って頑張ったが結果緒方に蔑んだ目で見られた。



「つ、次はなまえさんいこ!」


「…圭くん冗談はいいから。」


「緒方さんがあのままでいいの!?
ヤギ好きな緒方さんなんてイヤでしょ!」


「……、分かった。(ステラに行かせるのが一番効果ありそうけど危険だもんね。)」



今度は私が緒方の前にたつ。



「…なまえ?」


「わ、…っ、わん!」



頑張って笑顔を作り私なりに可愛い犬を演じたつもりだ。



「……。」



しかし緒方は俯いたままで反応がない。


「緒方…?」


「ゆずき!けいちゃんがね、ワンワンのかわいいトコみればなおるって。
ステラはゆずきぜんぶすき!ゆずきはワンワンのどこがすき?」



ステラが緒方に抱きつき尋ねる。




「全部ー!」



緒方はもとに戻ったのかステラを抱きしめる。



「「ハイ撤収!!」」


「ステラも洋もなまえも可愛いなー!そんなにオレが好きなのかぁ!」



緒方に捕まえられ抱きしめられる。



「離せ!」


「そうだよ!ウザいから離して!」


「洋もなまえもありがとな!可愛かったぞ。」


「…っ、…。」


「あーはいはい。分かったから離してくれ。」



…全く、緒方は本当に世話がやける。
昔もよくこんなやり取りをしていた気がする…。
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