キューティクル探偵因幡

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「あれ、遥さん、なまえさんっすよ。」


「遥に夏輝ちゃん…。
ちょうど良かった、遥に話があるの。」


「ふーん…夏輝。先帰ってて。」


「わ、分かりました。」



遥が夏輝ちゃんを帰す。私と遥は路地裏へと移動した。



「なに、話って。」


「コレ、返す。」



私は前に遥から手渡された拳銃を取り出す。




「……、ふーん。どうして?」


「私はいらない。」


「じゃあ、そこらへんに捨てれば?」


「捨てれるわけないでしょ!こんなの一般人の手に渡ったら…!」


「夢、見たんだ。」


「っ…!!」


「昔の夢見てもまだ警察の味方するの?
自分がなにされたか分かってる?」


「…、分かって、」


「分かってないよ。なまえは全く分かってない。
殺されかけたのにお人好しだよね。僕は腹が立って仕方ないのに。」


「…で、でもあのときの人たちは全員死んじゃったし…!」


「もみ消されたじゃん。…警察は罪を認めず、もみ消した。」


「……、」


「……。」




遥が私に近づいてくる。



「遥…?」


「なまえ、」



すると遥にぎゅっと抱きしめられた。



「え!?は、遥…!?」



押し返そうとしてもなかなか押し返せない

普段もやしなくせしてなんで今は力あるんだ…!



「…、なんで、」


「…っえ?」


「なんでにーになの…、」


「遥?」


「……、聡明さんが荻さんを捕まえた。」


「えっ!?」


「にーにたちのそばを離れるなら今だと思う。」


「!?、わ、私はっ…、」



遥が私の頬に手を寄せる。




「またあんな目にあうかもしれないよ?」


「!…、」


「僕と一緒に来てくれたら、もう二度とあんな目には合わせない。」


「…遥、どうし、」


「場所は△工場。」


「ま、待って遥!」



それだけ言うと遥は帰っていった。
聡明の誘いを初めはしっかりと断るつもりだった。けど、聡明の過去や今の遥、私の過去を考えると決心が揺らぐ。


……、とりあえず荻さんの様子を見に行こう。多分、洋も来るはず…、そこでしっかり決めないと…。





「聡明。」


「お?なまえ来たのか。」


「なまえ?」


「…洋も来てたんだね。」


「なんでなまえがここに?」


「…聡明に返事をしに来た。」


「返事?なんのだよ、聞いてねぇぞ。」


「まぁそう怒るなよ、洋。
…オレがなまえを野羅に誘ったんだ。」


「!?、ざけんな!!なまえは野羅なんかに入らねえ!
遥もすぐにテメーから取り返す!」


「ほぉ?けど、なまえはそうじゃねぇみてぇだぜ?」



聡明の言葉に洋が驚き、私の方を見る。
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