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□複雑な気持ち
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勉強会しよう!、と友達に言われファミレスに入る。
店の名前はワグナリア。

あれ、ここって…?



「いらっしゃいませー!何名様でしょうか?」


「2名でお願いしまーす。」


「2名様ですね、こちらへどうぞ。」



小さくて可愛らしい女の子に案内され席につく。



「ねね、なまえの彼氏さんもファミレスでバイトしてなかった?」


「うん。で、この店がそうじゃないかなって思ってたんだけど…、」


「じゃあ会える!?」


「キッチンだから無理じゃないかな。」


「えー!…、でも今忙しそうだからフロア出てきてくんないかな?」


「うーん…、よっぽどのことがない限り難しいと思う。佐藤くん接客とか苦手だし。」


「そんなー…、つまんない。」


「私に言われても、」



友達も私も注文が決まったので店員を呼ぶ。
すると髪の青い好青年っぽい人が来た。
注文を終えるとその人は私の方を見て微笑んでから戻っていった。



「…?」


「なに、知り合い?」


「んー、違うはず。」


「ふーん?でもでも格好良かったよね、たまにココ来ようかなー。……、」


「?、どうかした?」


「なまえの彼氏さんって金髪?」


「え?う、うん、そうだけど。」


「身長高い?」


「うん。」


「ちょっと怖そうな感じ?」


「…まぁ、…何でいきなりそんなこと、」



友達が私の後ろを指差したので後ろを振り向くと別の席のオーダーをとっている佐藤くんがいた。
オーダーをとられているお客さんは頬が赤く染まっている。



「……、」


「格好いいね、彼氏くん。…て、なまえ?」


「なに?」


「なーに怒ってんの?嫉妬?」


「別に、そんなんじゃ…、」


「お待たせしま…!?」




飲み物が運ばれてきたので顔をあげると佐藤くんが驚いた顔をしていた。



「…来てたのか。」


「う、うん。」


「勉強か?」


「うん。友達と勉強会。」


「…頑張れよ。」




佐藤くんは私の頭を撫でると戻っていった。
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