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□口実に決まってんだろ
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「おいテメー!いい加減にしろよ!」
「覚悟できてんだろーな、あん!?」
ガラの悪い連中が私を囲んで文句を言っていると、そいつらは突然倒れだした。
「あ、土方さん。久しぶり。」
「おう。」
私は情報屋をやっている。
目の前にいる黒髪の男は真選組副長土方十四郎さん。
たまに私から情報を買っていくお客さんの一人でもある。
私たちの出会いも今みたいな感じだった。情報屋は恨みを買うことが多く、よくさっきみたいな状態になる。
そんなとき助けてくれたのが土方さんだった。
「また絡まれてたのか。」
「まぁ情報屋は恨み買いますからね。
で、今日はどんな情報が欲しいんですか?」
「この男について何か知ってたら話せ。」
写真を手渡されたため、見てみる。
「……あぁ。名前は山本健之介、組織のボスで、最近じゃ吉原によく現れるらしいですよ。」
「他には?」
「人身売買や麻薬、色んな犯罪に手を染めてるらしいんですけど、証拠とかすぐに消しちゃうみたいなんで捕まえるなら証拠隠滅の前がオススメです。」
「そうか。」
土方さんが携帯を取り出し電話をかける。
相手はおそらく監察の山崎さんだろう。
「…あの、土方さん。」
土方さんが電話をきってから話しかける。
「なんだよ?」
「どうしてワザワザ私から情報買うんですか?
山崎さんに調べてもらえば…、」
「……、山崎はああみえて忙しいんだよ。」
「沖田さんもですか?」
「は?総悟…?」
「いや、最近よくお茶に誘われるんですよ。」
「あの野郎、堂々とサボりやがって…!」
「(やっぱりサボリだったんだ…。)」
苦笑いをしていると、土方さんに名前を呼ばれる。
「はい?」
「携帯のアドレス教えろ。」
「えっ…!?」
「総悟がいなくなったときはなまえんとこにいるかもしんねぇからな。」
「あ、あぁ…。なるほど…。(びっくりしたぁ…、)」
「……。」
「?、土方さん?」
「それと…、……なんかあったらすぐ知らせろ。」
「なんか…?」
「…恨みを買われたときだ。」
「!、…助けにきてくれるんですか?」
「…あぁ、」
土方さんは顔を横に背けるが、少し頬が赤いのが見て分かる。
勿論、私も顔は赤いだろう。それよりも、嬉しさでこの緩みきった顔をどうにかしなくては…、でも嬉しい!
「あ、ありがとうございます!」
「…ん、」
口実に決まってんだろ
((全部なまえに会うための口実に決まってんだろ…。))
(土方さんって甘いもの大丈夫でしたっけ?)
(いや、あんま得意じゃねぇな。)
(そうですか…。
ちょっと仕事ついでに行こうと思ったんですけど、今度沖田さんでも誘います。)
(今すぐ行くぞ。)
漫画久々に見たら懐かしくなってww