モノクロ世界

□出逢い
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廊下、階段などと特進クラスの校舎を1分ほど歩いたとき楼が口を開いた。

「ところで何処に向かってるんだ?」

すると、

「えっとねー A-1だよー  っていうか蓮のところ」

と言う答えが返ってきた。
そしてそれと同時に、

「蓮は郁の マイ・スウィート・ダーリン なんだよ〜」

と言う事も言った。

「…兄妹じゃなかったのか?」

楼はかろうじて二人の名前は覚えていたらしい。

「ばっっかっっ!! 
楼知らないの?兄妹じゃなくって幼馴染って」

「知らん」

そんなもん知るか。というかんじだ。

「っていうか… 二人がそんな関係だったなんて…初耳です」

輝羅が少し混乱しながらそう言うとこんな答えが返ってきた

「あ… えっと…   ごめんなさい   
そういう意味じゃなくって…なんかノリで…」

なんともばつが悪そうにしている。
そんな郁にもちろん二人は意味がわからないわけで・・・

「え・・・ ノリ?」

「何でそんな事いったんだ?」

という感じで問い詰める。

「郁は冗談のつもりで―――…」

「いや とってもありえそうな冗談はやめたほうがいいですよ?」

輝羅は真顔で言った。

「… でも、普通にありえないって思ったから言ったんだけど――――…

だって郁と蓮だよ!? 8歳のころからの友達でもう幼馴染で親友ですもん!!

そんな関係なんてありえないですよー」

あはははと笑う。
すると、

「お前らの関係なんか俺達が知るわけないだろう」

と、楼に言われてしまった。

「ご・・・ごめんなさい」

郁は謝る。かなり顔をひきつらせて…

「あぁ―――――っっ もうっっ!!楼!!そんな顔しないの! 

ごめんなさい 華王さん…

楼は一応悪気はないというか…

いや…あるかな?

まぁ、もともとこんな性格だから気にしないであげてください」

輝羅はそう言いながら楼のほっぺを軽くつねった。
楼は煩わしそうにそれをはらった。

「大丈夫ですよっ だってたぶん言ってる事合ってるし…」

郁は苦笑する。
輝羅もだ。
楼はめんどくさそうに外を向いている。



すると、A-1の教室の前に着いた。

「ちょっとごめんけど2人とも少し下がっててね」

そう言うや否や郁はためらいなくドアを開けた。

何かの決心をつけたかのように。



――ガラッッ


ザシュッ
ザシュッッ

パシッ!!




「ふぅ〜」

このすごい音で驚いている人の中最初に言葉をはっしたのは、郁だった。
教室内の生徒も今の事が良く分かっていないようだ。
もちろんのこと輝羅と楼も。
なぜなら、郁がドアを開けた途端上から先端がとてもギラギラと輝いている ”槍” が降ってきたからだ。

しかも5本くらい…。

そして郁はそれらを避け、しかもそのうちの1本は空中でキャッチした。
郁がキャッチしていない槍たちは床に刺さっている。
それはもうきれいに。
刃の部分はすべて床に突き刺さっている。



輝羅と楼に浮かぶ疑問はいくつもある。



この槍はどこから降ってきた?

というか何故槍がここにある?

ていうかまず槍なんか見たことない。

どうして避けられる?

どうしてキャッチなんか出来る??



というところだろう。


A-1の生徒は何故かもう普通にしている。

「はぁ… もう どうしてこんな危ないものばっかり仕掛けるのかな?」


すると

「何をしにここへ来た
   華王郁」

と、一人の少年が郁に近づいていった。


「ここはあなたの来る場所じゃないわよ
 
それに、その槍はあなたのお仲間さんが仕掛けたものでしょう? 仕方のないことよ

まったく…物騒な人達ばっかりで嫌よ

 躾とか礼儀というものが全く備わっていないわ」

少女も言う。
それに郁は苦笑するしかなかった。

「すみません
…よく言いつけておきます…」


――ガタッ

「壱麻(イチマ)麗(レイ)」

「蓮っ!」

蓮はいすから立ちあがった。
そしてやめろとでも言うように2人の名前を呼んだ。

「どうしたの?郁 っていうか・・・槍は大丈夫?」

そう言いながら蓮は床に刺さった槍を抜いた。

「うん 大丈夫  っていうかこっちが仕掛けたみたいなようなもんだし

A-1の人達に被害がいかなくてよかったよ」
                    
「ありがとう …って… 誰?」

そこでようやく蓮は廊下の壁側にいる2人に気がついた。
楼はなんだか慣れたようで、普通にしている。

が、輝羅は全く見たこともないような事が目の前で起こってしまったため、フリーズしてしまっている。

「あ そうそう ここに来た理由はこの事なんだけど――…」

蓮は首をかしげた。

「その――――…
       ばれた」




何秒かの沈黙が流れたあと

「…本当?」

というのが返ってきた。
もちろん郁が言うのは

「うん 本当」

ということだ。

「はぁ――…  入学早々か
 
  理事長になんて言おう 参ったな…」

蓮は大きなため息をついた。

「ごめんなさい」

「いや 郁の所為じゃないんだから気にしないで」

輝羅は今までの事などを見て、やっとかなりやばいんじゃないかということに気づく。

「ねぇ 楼」

輝羅は、楼に聞こえるだけの声の大きさで話始めた。

「ん?」

「これ… 結構やばいんじゃない?
 
 なんか理事長がらみっぽいし…」

深刻そうな表情で言うと

「知るか」

と、スパッと返された。

三文字で。


「…っ楼は気にならないのっっ!!??」

「別に」

「―――――っっまた三文字――――!!!!」

「五月蝿い!黙れ!」

「こんの 鬼畜―――――!!!」

「…はぁ…」

「溜息つくな―――!!」
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