モノクロ世界

□特進クラスの秘め事
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「本人達からのほうがいいから二人ともお願いしていいかい?」

理事長がそう言うと、蓮と郁は目を合わして頷いた。
そして話し出した。


「…俺達のA-1は、天界の者 つまり天使の集まりだ」


「郁達のA-2は、魔界の者、悪魔の集まりだよ」



二人はためる事もせずに、すらっと言葉を口にした。

………。

「…あのー…
どこのふぁんたじーなお話ですか?」

開いた口が閉まらない。
それがさっきまでの輝羅の顔にとっても合うだろう。

「いやー…そう思ってしまうのも無理は無いけど…ねぇ〜」

理事長は苦笑いしている。

「そうだ 分かった!!
どこかに誰か隠れたりカメラとかがあるんだっ ドッキリにはかかりませーんよっ

私もそれなりに夢とかみますけど、夢の世界にはまったりなんかしてませーん
そこらへんは私ちゃんと現実主義者なんですっ!」


―バンッッ!!


「って うわぁ…
楼どうしたの?ごめん 私がうるさくした所為か」

楼が突然部屋の壁を殴ったので、輝羅は謝った。

「違う」

そう言って扉のほうに向きかえって歩いた。

「霧峰君 まだ話は終わっていないよ」

理事長はゆっくりと諭すように言った。
だが楼は少しだけ振り向いて

「俺は誰にも何も言いませんし大丈夫です
言ったところで何もならないし
とにかく俺はもうここに居たくないんです
それじゃあ」

「ちょっっ楼っっ!!」

輝羅が止めても楼は止まらなかった。

すると意を決したように

「霧峰君」

と、郁が声をかけた。

楼は一応は止まってくれた。

「どうしたの?天使だとか悪魔とか馬鹿げてる話に付き合ってなんかられないとか思ってる?
…でも、私達は本当にそうなの
だから…ちゃんと最後まで聞いて欲しい」

とても強い瞳をしている。
楼は扉のほうから振り返った。
郁のほうへ歩いてくる。
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