モノクロ世界
□今はきっと幸せなとき
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キーン コーン カーン コーン…
学校のチャイムが鳴り響き、今日の授業は全て終わった。
タタタッ
「れ――――ん――!!」
蓮が後ろに振り返ると、郁が手をぶんぶんと振りながら走ってきていた。
蓮はその場で郁を待っていた。
「っふぅ
前に蓮がいるの見えたからっ
蓮も今から理事長室でしょ?
一緒にいこっ!」
「うん じゃ行こっか?」
―コンコン
ガチャッ
「理事長ー 入りますよ」
蓮がそう言いながらドアを開け、理事長室に入った。
郁もそれに続く。
「あっ 来た来た
もう二人は来てるよー♪」
理事長室には、椅子に座っている理事長とその前に立っている楼と輝羅がいた。
理事長はにっこにこと、
楼はめんどくさそうにブスッと、
輝羅は緊張しているのかソワソワとしていた。
「えっと…亜憂さんと霧峰くん…ですよね?
よろしくっ 華王郁ですっ」
郁は自己紹介してなかったと思いペコっとお辞儀をして言った。
「私は亜憂輝羅です!
呼び方は何でもっ…あっやっぱり輝羅でっ!」
とってもあたふたしている。
この空気とかいろいろでとても緊張しているのだろう。
「じゃあ輝羅で 郁のことも郁って呼んでっ
あと敬語とかは無しね!郁もそうするから」
「っうん!じゃぁ郁っ改めてよろしく!
やったぁっ これからは友達ってことだよねっ」
さっきまでの緊張は何処へやら。
輝羅ははしゃいでしまっている。
郁もとても嬉しそうだ。