モノクロ世界

□白い携帯電話
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「はい…
…はい、分かりました では。」


―パタン


輝羅は一つ小さなため息をついて自分の白い携帯電話を閉じた。


「どうしたのっ? ため息なんてついちゃって」

「い…っ郁っ!! どうしてここに!!?」

郁の突然の登場に輝羅はとても驚いている。

「ちょっと休憩中だから外の空気吸いたいなって思ったら輝羅がいたから来てみたの」

「へぇ… すごい心臓に悪かった…」

郁はそんな様子の輝羅を見てばつが悪そうにして謝った。

「ううんっ 気にしないでっ
さっきまですごい緊張してたって事もあるからさっ」

輝羅は手をぶんぶんと振る。


「…何かあったの?」

「んー なんというかねー…
ちょっとお父様と電話しててね

…郁。 男になれる?」



……。

「は?」

急な意味の分からない発言に郁は口をあんぐりと開けるしか出来なかった。

「ちょっ…ちょっと待って、ちゃんと説明してくれる!!?
因みに郁は生物学上女だよ!!」

「あっうん! 分かってる 分かってるよ! ちゃんとそこら辺はっ
えっと、ちゃんと説明すると
私、明日気の向かないお見合いに行かなくちゃ行けなくってね」

輝羅はおずおずといったかんじに言う。


「へー…    ってお見合い!!??」

驚きようが半端じゃない。
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