モノクロ世界

□intuition
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「この人間達が銃を扱えるように練習する。
もしものことがあってはならないから幻術でこの場所を保護する。
…この人間に力を貸しているからこいつがここにいる…という感じでいいんですね?」


「うん、そんな感じ。

…ねぇ柳。そんなに嫌い…?」

「何がですか?
まぁこの場所にとてつもなく同じ空気を吸いたくない人が一名いますが…」

「うん、もう十分 分かった」



あれから5人は隠し扉を通って地下へと行き、郁は柳に簡単に短くまとめて事の成り行き、詳細を説明した。
柳はそれのポイントとなる部分がきちんと分かったようで、なんとなく納得してくれた。
蓮はにこにこしていて、輝羅は静かにして話を聞き、そこでちゃんとここで何をするかを理解して驚いて、楼はいつもと変わらず、少し皆と離れた壁に寄りかかっていた。
蚊帳の外にいたいようだ。
話には自分も関係しているのに大して興味は無く、聞いているか聞いていないかも分からない様子で、そっぽを向いている。

「ねぇ郁。一個聞いていい?」

輝羅がそう言うと、郁はこくりと頷いた。

「幻術って何?
あのねっ幻とかの何かってのは分かるけど…
分かるんだけれども、それに馴染みがないというか…これまでの人生の中でそれを目にしたことがないからよく分からなくって……」

まぁそうだよね、というように郁は苦笑いして口を開いた。

「ごめんね。
…えっと、さっき輝羅が言ってたように幻術っていうのは幻の一種だよ。
主に悪魔はね、幻術に長けてるの。
天使は結界…シールド作りに長けてるんだけど、今回は周りのものを保護したい訳じゃなくって、周りの誰かに気づかれないようにしたいから、幻でこの空間を遮断して別空間とするの。
…で、悪魔の中でも柳は特に幻術に長けてるから今回来てもらったの」

輝羅は頭の中で整理するのが精一杯のようだ。
えっと…と小さく何度も呟いて、目をぱちぱちしている。それを数秒繰り返した後、大きくうん!と頷いて

「なんとなくだけど分かった!」

と言った。
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