小説

□夕日色に染まるあなた
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夕陽が沈みかけ、
橙色に染まるダイノボットアイランド。
その浜辺にはプロールがゆったりと歩いている。

「ス、ワァープ!!」

プロールの頭上を
ビーストモードのスワープが翼を広げて飛んでいた。
風を切って飛ぶスワープは、
気持ち良さそうに巡回するとプロールの元に降り立った。

「スワープ!」

「ん、なんであるか?
スワープ。」

名前を言われたスワープは恥ずかしそうに下を向いた。
しかしプロールには
ちょうどスワープの顔が影で隠れてしまったので
その表情が見えなかった。

「はぁ、潮の匂いも穏やかで本当に平和的な島であるな。」

ふっと口元を緩めて
スワープに笑いかけたプロールはまた砂を蹴る様に歩き出した。
その後をスワープはトランスフォームして追い掛けた。

「スワープ…」

「何であるか?」

彼の呟きに反応して振り返ると、
スワープはオレンジがかった白い貝殻を蹴って
プロールの右側に座って寄り添った。

「スワワープ。」

「…面白い奴だな。」

上目遣いで見るスワープに笑って座り、
プロールは少し背の高いスワープの頭を撫でた。
優しく頭を撫で続け、
その間スワープはただただ嬉しそうに声を漏らし
プロールの肩に頭を乗っけて夕日を眺め、
そのまま目をつぶった。
目をつぶると夕日の色に
染まったプロールの姿が彼のまぶたの裏に浮かんだ。

「スワワープ…」

プロールには聞こえないぐらいの小さな声で
『このまま一生続きます様に』と、願いを込めて囁いた。


END

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