サクライロの時間飛躍

□第二幕 「星降る夜に」
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「すげぇー。人がめっちゃいるー。」

とりあえず街の中心部である幸城駅へ行く事にした俺たち。

駅の途中にある商店街で物珍しそうにキョロキョロと辺りを見回すさくら。

そういやぁこいつはアレだったな。

未来から来たお尋ね者サイボーグ?

「未来には人間がいねぇのか?」

それとなしに俺は聞く。

「人が2割でそうでないものが8割・・・・かな。」

「・・・・・。」

そうかい。

そりゃぁびっくりだよ。

ビックリしすぎて声もでないね。

この地球上に64億?ぐらいいらっしゃる人間様がそこまで未来で激減してらっしゃるとは。

どれくらい先の未来かは知らんが。

「いや、そうじゃないよ。人間は減ってない。それ以外のものが増えただけ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

ますます驚くわ!!

って、何で俺はノリツッコミをしてるんだ!!

ホント勘弁してくれよ。

今ので寿命30分くらい縮まっちまった。

「あ、駅だ。」

俺の心境もいざ知らず、さくらは”幸城駅”と書いてある看板を指差す。

・・・・・。

駅に着いたはいいが、どこへ行く?

別に俺は行きたいところなぞない。

宿題から逃げれるならそれでいい。

「さくら、お前どっか行きたいとこ、あるか?」

さくらは少し考えてから、さっきのとこ、といった。

さっきのとこ?

あぁ、商店街か。

まぁ、行くところもないし。

というわけで、俺は駐輪場の”駅に御用の方以外は駐輪禁止”の看板を無視して

駐輪し、商店街へと向かったのである。
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